これが戦争だと思いました 仲代さんの言葉とまるで映画のようなシーンの体験

 戦争を体験した、数少なくなった世代の1人だった。終戦の年、東京に住んでいた12歳の仲代少年は、空襲に遭遇した。逃げる途中で、道に立ちすくむ年下の少女と出会い、彼女の手をつかんで一緒に逃げた。近くで爆弾が落ちても必死に逃げた。気がついたら、少女の姿はなかった。仲代さんがつかんでいた手の先には、彼女の腕だけが残っていた。このつらい体験をことあるごとに語った。日本を代表する名優は、誰よりも戦争を憎む人だった。【林尚之】

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