詩 『5歳の手』
『5歳の手』 朝光の廊下 黄色い帽子 男の子 保育園帽子 お母さんと廊下を歩く ひらひら黄色い帽子 手の平をまっすぐ上にあげて 「5歳」 と手で言う 最初わからなかった ハッと気づいた 「5歳なんだね」 声でわたしは返事する お母さんとわたしの微笑みが転がる 5歳の合図を伝えるのが 朝の行い 大きなお母さんの左側で 跳ねて 手をつないで ひらひら歩いていく 大人の大きな手 子供の小さな手 未来 この言葉を初めて思った 社会は大人が作っている 子供たちが 正直に生きてくれますように 欲があれば 正直な社会になりますように 子猫 子犬 子熊 ひらひら跳ねて 道草して お母さんのやわらかい手 お母さんのあったかい手 5歳の黄色い帽子は 大人の手をつないで 歩いてゆく 二人の背中を ずっと見ている