詩  『生活音』



 

 




『生活音』



ベッドで横になり
仰向けになって
手を組んで
目を閉じます

過去を思いました
聞こえる音は
空調のモーターです
音を聞くと
やはり空調のモーターです

他に音があるのだろうか
と考えます
どこからか
かすかに
生活音が聞こえます
床を歩く音かもしれません
襖を閉める音かもしれません

生活音の中
今の瞬間に集中してみますと
思っていた過去が消えていました

目を閉じて
聞いています
脱力は完成しました

かすかな生活音は楽しく
今度は冷蔵庫のモーターです
目を閉じるということ
感覚は80%以上の視覚らしいです

文章の中のように
「風の音」など実際は聞こえなくて
「人の声」もありません
聞こえるのは
空調機のモーター音です
よくまあ簡単に
「耳を澄ます」と言うけれど
そんなことはできません

目を開けてみました
また視覚思考が始まります
だから
言葉でも書こうと思いました


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