詩 『揺り籠に乗って』
『揺り籠に乗って』
6劇団に
カオリちゃんが
誘拐された
という話は
当たり前にあったのだけれど
実は
カオリちゃんが
《アレ》を使って
6劇団のすべてを
支配下に置いている
という
噂は夢のようで
村で強い噂になって
流れていたから
俺たちはすぐに海辺に走った
「あなたたち.....」
と口先を動かし
海の動画を作っていた
Miho姉さんが
海辺で話した
太平洋の波
波の音音
夕方より少し前の
時
匂い
白白
青青
「
あなたたちは
その噂を嘘だとでも
思っているのではないですか
」
Miho姉さんは強い口調で
「
まずあなたたちの
甘い考え方を直した方がいいです
カオリちゃんが
《アレ》を使ったくらいは
たいしたことはない
カオリちゃんの強い力を
誰も未だ解っていない
それよりも
人道回廊がない
最後の《ナカムラ地区》が
第10劇団によって
破壊されることを
あなたたちは
心の底で
それを待っているのではないですか?
Kさん、
」
カオリちゃんが
《アレ》を使ったことで
驚いた俺たちは
Miho姉さんに
静かに怒られることも驚いた
太平洋の波の音
波の音
白
青
浜辺は
泳いでいる3人の
Miho姉さんたちによって
《wave通り》を
動かしていた
Miho姉さんの答に
本当にカオリちゃんが
《アレ》が使えるとは
知らなかった恥ずかしさで
俺たちは
文字通り《wave》に
打たれていた
「
子供じみた
地震を待つような心持ちで
人道回廊がない
最後の
《ナカムラ地区》が
破壊されるのを
世界中が静かに待っているのは
一人一人が自分の時計を見て
時計の物体そのものを
見てはいけない
あなたたちの幼い思考が
心の奥に
待っている
それは100年前の
収容所の残虐を
見守る《アリバイ》を
Kさん、助けたい《アリバイ》を
せっせと作っているのではないですか
善き心が拍手をして
フェスティバルのように
はしゃぐことはいけない
キツイ言い方だけれど
」
太平洋の波
青青
白白
iPhoneを
手に持ったMiho姉さんは
俺たちの目を睨んでいた
《アリバイ》は
第10劇団と
第16劇団の空爆の絵
心にある
《アリバイ》が
確かにひどかったのだ
「
もう時間がない
あなたたちは
記憶しておくのよ
《アレ》は
いずれあなたたちも
使えるようになる
今
電気信号の交差の中に
揺り籠に乗って
博士が言うように
《死の川》を超えて
あなたはあなたたちは
すぐに出航しなさい
」
Miho姉さんは
3人で泳ぐ動画を作る手を
持って
夕暮れよりも少し前に
太平洋の海
太平洋の波の音
波の音
潮の匂い
海辺
白白
青青
俺たち
家路に帰る時
言葉を忘れた
緩やかな衝撃
嘘の言い逃れ《アリバイ》
俺たち
胸に体を丸めて
言葉を
忘れた
#GAZA

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