詩  『ぱんだのたからもの』





『ぱんだのたからもの』



政治の話はつまらんな
政治が好きな人はよくしゃべるが
本当に好きなものは音楽だった

あの人はたとえば
「パンダの宝物」
と言ってびっくりした
正しい発音は
「ぱんだのたからもの」
ひらがなが音楽になった

あの人の手引きで
バイオリンの人がやってきて
大きな音で弾いてくれた
世知辛い世の中だけど 忙しくて
どうしようもないのだけど
音楽があってよかったんだ

あのバイオリンの音って
こんなに大きいんだな
って

1曲目 2曲目 3曲目
うっとり聞いていると
宇宙から聞こえてくる
宇宙が鳴っているのだな
バイオリンがやってくる世の中
宇宙の音からやってくる

音楽から遠くなった人たちが
耳から5m先から
音楽がやってくる
生きてれば
音楽を忘れるほど大変だけど
生の楽器はやっぱり素敵

「ぱんだのたからもの」
その意味を聞いてみると
「カクカクシカジカふにゃんフニャン」
その声も 音楽だ
秋の音楽のお祭りは
遠くからも近いところからも
わたしたちの暮らしに
束の間のメロディーだ

バイオリンの大きな音
体で聞いて
心で聞いて
表情の緩んだ皮膚から
大きな宇宙に
連動していけ
笑顔の船に乗って
高く高く遠く 遠く 飛んで行け


 

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