詩 『あの人は蝶々だった』
『あの人は蝶々だった』 あの人は蝶々だった 弱い人に声をかけ 早口で話す ひらひら笑い 弱い人の肩に そっと手を添える あの人は蝶々だった 次の弱い人に近づき ひらひら笑い 声をかける 弱い人が表情が活き活きと 笑みが生まれ 大気に見えない鱗粉が飛んでいる あの人は蝶々だった 次の弱い人の傍らで しゃがみ込み やはり早口で話す 応えを聴いている うなずいて 正しい答えを話す あの人は蝶々だった 最後の弱い人に近づき 今度はほんとうに飛び上がる ひらひら笑い 声を弾ませ 弱い人たちはみんな 笑みを出現する あの人は蝶々だった 良い波長の弱い人に 力と楽しさを与える 顔、表情は判りやすく 釈迦の使者の如く あの人は愛をあげていた あの人は蝶々だった きれいな言葉 きれいな思想 世の中たくさんあるけど いろいろあるけど 弱い人が花になっていた きれいな大気を 見ていると こっちまで強く静かに驚いた あの人は蝶々だった ひらひら飛んで どっかに行った 瓦礫の上にも 愛がいっぱい生まれていた 蝶々は天使だった 世の中きれいもたくさんある と『時間』をわたしは見ていた 見えない鱗粉が 見えない空気を漂い そして消えた ああ、あの笑顔よ。