『ホップと雨と うなぎ丼』
『ホップと雨と うなぎ丼』
ホップは言った
「昼飯でも食べに行こう」
少し雨だけどな と思いながら
雨雲レーダーを見て 『ポツポツ』を選んで 時間を決めて
「わかりました。ホップの家に11時半に行きますね」
と答えた
ホップの家に行くと
「これをついでに持ってほしい」
こんな雨なのにな
と思いながら
束ねたたくさんの新聞紙の紐に指を使えて、私はうなずいた
ホップは止まる時があるので
「頼むから止まらないでほしい」
と私はお願いした
指から紐の重さで痛くなっていた
またホップが止まるので
「お願いだから止まらないでほしい」
ホップはまた歩き始めた
外に出ると
『ポツポツ』が『バラバラ』になっていた 雨雲レーダーは予想は変わった
お店まで ほんの少し 140m歩いて2分
ホップはまっすぐ進んだ
途中で束ねた たくさんの 新聞紙を置き場に置いた
ホップは後ろを見ないから
私が途中で新聞紙 置き場に寄ったことも知りませんでした
ホップの後ろを早足で行くと
雨は『バラバラ』から『ザーッ』に変わりそうだった
あと100m
行くしかないな
私の帽子をホップの頭に被せた
それもホップは気がつかない
私はすぐに頭から濡れて冷えるのがわかった
ホップと私はお店に着いた
「いらっしゃいませ!」
お店のえっちゃんが言った
「雨 すごいですね」
とえっちゃんは思っても言わない
ホップがどのテーブルに行くか迷っていたから
「そこでいいからと思う」
と私が言うと
ホップも私も座り えっちゃんが注文を聞いた
「うなぎ丼」
とホップは 答え
「私も同じで」
と私も答えた
「はいわかりました!」
えっちゃんは元気に答えた
思ったことも言わない人はお店の鉄則なのかもしれない それであっても優しい人だ
実はポップは昨日もうなぎ丼を食べたのだ
安いランチで2日目もうなぎ丼にしたのだ
「美味しくて今日もうなぎ」
とホップは笑って言った
140m の歩行はきつかった
私は『ハァハァ』と声を出して自分を整えていた
濡れた帽子を干した
自分の頭をハンケチでふいた
うなぎ丼がきた
ホップは何かを話し
私は何かを答えた
「今日はこんなに食べれない」
と少しだけのうなぎ丼
私の方に3/4を食べるようにとホップが言った
私は何かを話し
ホップは何かを答えた
ご飯を終えてお茶を飲んですぐに帰ろうとした
私はポケットから2000円を出した
「ここは私が払う」
ホップは言った
「ここは私が払う」
ホップは2回言った
えっちゃんから 傘を借りた
ホップは帰る 家路140m
後ろを見ずにホップは歩いて行くのだ
雨は『バラバラ』だった
後ろから傘に入れると
雨は『バラバラ』から『ポツポツ』に変わっていった
あと100m
もう少しでホップの家に戻れる
私は必死に傘を持って歩いていた
左手が悪いので右手で傘を持つしかない 懸命だった怖かったが必死に 右手で傘を持って歩いた あと50m
傘をさして歩くのは3年ぶりだった
行けるかもしれない 行けた
その時気がついた
ホップはうなぎ丼をほとんど食べなかった
私にうなぎ丼を差し上げたのかもしれなかった
「少ししか食べられない」
とホップの言葉を
真に受けてしまったのだと思った
お金がない私に
うなぎ丼を昼食を誘ったのだ あと30m
私の杖から傘をさすことに変わっていた
空から何か見られてるような気がした
ホップに試されていたのだ
空から試されていたのだ
初めから傘を持っていけば
『ザァーザァー』からホップを守ることができたのだった
空から『65点』と言われた気がした
あと10m あと 5m
ホップの家に着いた
雨はやんでいた
雨雲が私に試されたのだ
「雨に遊ばれてるね」
ホップは笑った
『何も言わない』えっちゃんに
傘を返さなきゃ。

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