詩 『47分の犬山の盆踊り』
『47分の犬山の盆踊り』
言葉の人なのに
愛の人なのに
俺たちが心を失った様子を見て
Miho姉さんは俺たちに言った
「
あなた方は
渦の中で
遊んでいるような気がしていたのに
いつのまにか
渦中になって
逃げ始めたのです
Kさんは
」
「K、」
「
あなた達は
6劇団の人たちに
全部やられてしまった
命があったぐらいは
まだ良かったはずだ
危ないのは
6劇団を《壊す》なんていうことを
考えてはいけないよ
」
言葉の人なのに
愛の人なのに
「
あなたたちは
魂のことを忘れていませんか
魂を中心に暮らすのが
犬山の盆踊りで
現してくれたでしょ?
」
Miho姉さんは
岸辺で俺たちに
こう言った
「
小さな6劇団のことは
忘れてもいい
Kさん、
あなたたちは
命よりも
祈りを忘れていたのでは
なかったでしょうか?
あの人もまた
祈る人ではなかったのでしょ?
」
言葉の人なのに
愛の人なのに
解らないのはゲジさんのことだ
「
40年前にゲジさんが
《Love is never gone》のことを
言ってるのね...
」
言葉の人なのに
愛の人なのに
「
泣くこともない
悲しむことでもないのよ
美樹さんも言ってたでしょ?
《愛はけっして消えることはない》
この部分で
《憎しみもまたけっして消えることはない》
の2つのことね
Kさん、
あなたたちの気持ちは
わかるけれど
前に歩いて行かねばいけない
憎しみと愛は
一緒には歩いてはいないです
愛はもっと上の方に
立っているし
憎しみは
小さな泡のようなものです
潰しなさい
」
言葉の人なのに
愛の人なのに
「
《愛はけっして消えることはない
でも1つ解ったことがある
愛はけっして消えることはない》
ゲジさんの歌と言葉で
文字通り考えてもいいです
あなたたちは
魂と祈りを中心から
外したのだから
6劇団のやることは
放っておきなさい
笑顔を持って前に歩くのが
一番いいのよ
美樹さんも言ったでしょ?
呼吸のことを知っているでしょ? 犬山の盆踊りのことを
忘れてはいけない
」
俺たちはもう泣いていなかった
言葉の人なのに
愛の人なのに
Miho姉さんの言うように
47分の犬山の盆踊りを
中心に暮らすのが一番だと
言葉はなく
私たちは
思っていた
※ゲジ さん= #三枝茂樹
楽曲『Love is never gone』の
歌詞の一部を引用しました


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