詩『アランの言葉』




   

           『アランの言葉』


アランは口下手だから

あまり喋らない

いつも静かにしている


アランが仕事をしているときも

話を聞くときも

すごくゆっくり

だからみんな ほっとする


よぶんなことは言わず

気が利く言葉もできない

音数も文字数が少なく

アランの空白にあるのは

無口という名のおしゃべりだ


「自分は阿呆なんです〜」

とわたしが笑ったら

首を横に振って

そんなことないよ

と無言で言ったことがある

信頼ってこういうことなんだな


アランは漢方薬だ

徐々に体に染みていく

派手でも地味にもならない

真ん中はむつかしいけれど

アランは静かに

生きている

大切な家具のよう


世の中どんどん変わっても

飽きそうで飽きないアランがいる

アランっていう人間さん


アランは口下手だから

あまり喋らない

いつも

静かにしている



いいんだ

いいんだよ

そのままで






 

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